吉野 勝手神社を過ぎて水分神社手前まで




 井光神社八幡宮

吉野郡吉野町吉野山2343

交通案内
近鉄吉野線吉野駅からロープウエイに乗らずに歩くと70分足らず。

祭神
井氷鹿神


由緒

 吉野八社明神の井光明神(佐抛とされる)と思われる。
 井氷鹿神とは『古事記』で伊波礼毘古が吉野川の川尻に到着し、「国津神、名は贅持の子:阿陀の鵜養の祖」とであい、 次に「尾のある人、井より出て来たりき、その井に光あり:国津神、名は井氷鹿」と伝える。『日本書紀』では井氷鹿を「吉野首部の始祖」と記す。
 桜本坊旧跡の南市場にも井光神社があるとのこと。

 『新選姓氏録』には「天より降り来つる白雲別神の女なり、名は豊御富と曰す。神武天皇は水光姫と名付けた。吉野連が祭る水光神是なり。」 とある。これを見ると雨を降すのは雲であり、特に吉野の山々に降る雨が聖なる水となって潤すとの神仙境吉野の呪水への信仰の篤いことが偲ばれる。 井光鹿をして水銀採取と見るのはうがちすぎかも知れない。

井光神社八幡宮



お姿
 吉野の峰道沿いに鎮座、写真の如く奥行きがまったくない姿。
お祭り

 例祭   9月15日




 小山神社(天王さん)

吉野郡吉野町吉野山2054

交通案内
近鉄吉野線吉野駅からロープウエイに乗らずに歩くと80分足らず。

祭神
速須佐之男命


由緒
 大梵天王と彫られた石灯籠がある。
 吉野八社明神とは幣掛(四手掛)神社,威徳天神,井光明神(佐抛とされる),勝手明神(式内吉野山口神社),夢違観音堂(竜王社:御幸の芝明神) 、子守明神(式内吉野水分神社)、牛頭天王社、金精明神(式内金峯神社)であるので、この神社は入っていない。

小山神社と奥千本へのバスを待つ行列



お姿
 桜のシーズンで混雑の中に鎮座しており、見物人も来ていたが、おそらく普段は社殿も高い所にあり、ひっそりと町を見守っているのだろう。
お祭り

 例祭  10月 1日




 龍王神社(御幸の芝明神)

吉野郡吉野町吉野山

交通案内
近鉄吉野線吉野駅からロープウエイに乗らずに歩くと90分足らず。

祭神
八大龍王
摂社 牛頭天王社

由緒
 吉野八社明神の一。 夢違観音または雨師明神である。

 『新葉集』後醍醐天皇 この里は 丹生の河上 ほどちかし いのらばはれよ 五月雨の空
 八大龍王は、梵名をナーガといい、海中や水中に住む架空の動物で竜宮(王の都)は海底にあるという。インドではナーガは雨を司る大蛇、中国、日本では龍と同一視されている。
 『法華経』では難陀竜王(なんだ:海洋の主)、跋難陀竜王(ばつなんだ:難陀の弟)、沙伽羅竜王(しゃがら:天海に住む雨乞いの本尊)、 和修吉竜王(わしゅきつ:水中に住む九頭竜)、徳叉迦竜王(とくしゃか」怒って人を見るとその人は死ぬ)、 阿那婆達多竜王(あなばだった:雪山の池の中の五柱堂)、摩那斯竜王(まなし)、優鉢羅竜王(うはつら)のことで、難陀、跋難陀龍王が代表格。*2

 役行者は天川などに八大竜王を祀ったとされ、当地にも祀ったのかも知れない。
 水分神社の中に芝神社が鎮座している。ここでは大己貴神、少彦名神が祀られている。

御幸の芝明神




お姿
 峰道沿いに鎮座、弁当などを食べるに絶好の地なっている。神社には名称や説明書きはなにも書かれていない。




 鷲尾神社

吉野郡吉野町吉野山1710

交通案内
近鉄吉野線吉野駅からロープウエイに乗らずに歩くと120分足らず。吉野水分神社の手前すぐである。

祭神
大山祇神


由緒
 不明。八王子神社でもある。

鷲尾神社




お祭り

 例祭   7月13日

*1 『吉野−悠久の風景』上田正昭編 講談社
*2 http://www.butsuzou.com/jiten/hatidai.html

吉野町の神々

大和の神々
神奈備にようこそ