泉神社
茨城県日立市水木町2-22-1 its-mo
鳥居

交通案内
常磐線大甕駅 北に700m
祭神
天速玉姫命
二の鳥居と拝殿

由緒
常陸国久慈郡の式内社天速玉姫命神社の論社。他の論社は常陸太田市町春友町の鹿島神社「武甕槌命、天速玉姫命」である。泉神社は泉が湧いており、常陸国風土記記載の里に鎮座していることが論拠で、文献上の論拠はなにもない。
『常陸国風土記』から
いわゆる高市、ここから東北二里のところに密筑(みつき)の里がある。村の中に浄らかな泉がある。土地の人は大井という。夏は冷たく冬は温かく、湧き流れて川を成している。遠近の郷里の人々は、酒肴を持参して、男も女もつどい集まり、休んで遊び、飲み楽しむ。その東南とは海浜に望み、(石決明(あわび)・棘甲贏(けうに)・魚・貝等の類がはなはだ多い。)、西と北とは山野をひかえている。(椎・櫟・榧・栗が生え、鹿・猪が住んでいる)。すべての海山の珍味については、全部書きつくすことはできない。(吉野裕訳『風土記』から)
「浄らかな泉」もさることながら、上記の風土はまさに常世の国を云っている。今でも、田園とその中の所々の点在する森林とは見事に調和した風景をなしている。ほっとするこの国の姿が見えるのが常陸の国のようだ。
本殿

お姿
泉が森公園を北に下った場所に鎮座していることになる。 こんもりとした丘の麓に鎮座、参道の右側に泉と弁天様の祠がある。今でも水が湧き出ているが水量は少ないのが、公園付近の開発によるもので、時代の流れ。
泉と弁天社

お祭り
例祭 5月 5日
平成祭礼データ
泉神社
崇神天皇の御字四十九年、久自国造、船瀬宿禰の奉請で、大臣伊香色雄命勅命を奉じて此に鎮祭りしたと伝ふ。古くは天速玉姫命神社と云ふ。祭神天速玉姫命は天棚機姫命の女で、天太玉命の后神、天比理刀当スとも云ふ。常陸風土記に蜜筑里の大井の、又常陸二十八社号に泉川、霊玉を以て神体とすとあり。霊妙なる浄泉が湧き神域を泉ケ森、泉山流れを泉川と呼ぶ。三代実録「貞観八年五月二十七日庚午常陸国正六位上天之速玉神に従五位下を授く、十六年十二月二十九日癸未従五位下天之速玉神に従五位上を授く」延喜式内小社、久慈郡七座の一、享禄三年九月佐竹義篤社殿造営、社号を泉大明神と云ふ。この時青山次郎延久神馬を奉ぐ。(棟札)
以上 |
参考『風土記 吉野裕訳』、『平成祭礼データ』、『式内社調査報告11』
神奈備神社一覧奥州
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2004.7.10 |