荒神山神社
近江国犬上郡　滋賀県彦根市清崎町1501

交通
荒神山山頂近　mapfan

拝殿

祭神
火産靈神 奧津日子神 奧津比賣神
瀬織津比�盗_ 速秋津比賣神 氣吹戸主神 速佐須良比賣神

由緒

　創建年代は不詳である。天智天皇の時代に、犬上、愛知、神前、蒲生四郡の祓殿及び御祈所と定められて、毎年六月の大祓会には関係四郡はいうに及ばず、遠く各地からの崇敬者の参拝は十数万人に及んだと言う。
　聖武天皇の時代、仏教が盛んになり、当時の行基菩薩が四十九院を創建された時、この荒神山に登られて社地の秀霊なるを感じて堂宇を建てられ三宝荒神を附会勧請して四十九院の奥院とされ、奥山寺と命名した。

　戦国時代には織田信長に焼き払われ、幾多の宝物・古文書は失われた。
　慶応四年の神仏分離の官命で奥山寺を廃し、社頭を造営し、荒神山神社と奉称して今日に至っている。

拝殿と本殿

お姿
　山頂に至る狭い車道がくねくねと続く。 小型バスでの団体登拝であった。実際の目的はこの神社の北に１００ｍ程下った場所にある荒神山古墳の見学である。
　バス道の途中に鳥居があったが、写真は撮れなかった。また古い神木があるそうだが、確認できていない。

荒神山古墳
　４世紀末から５世紀初頭の前方後円墳であり、１２４ｍの大きさである。犬上郡と神前郡の境界に築かれている。山頂の形を利用して築いたもので、形は明瞭ではないが、琵琶湖側の形は整っていたと推測される。犬上郡や琵琶湖からの眺めを意識して築造されたようだ。犬上郡の大豪族のようだ。
　『日本書紀』に、「稻依別王。是犬上君。武部君。凡二族之始祖也。」とある。犬上君の始祖は日本武尊の子の稲依別王で、埋葬者も皇族の末裔らしく三段築成である。
　『日本書紀』（巻九神功皇后摂政元年）「犬上君祖倉見別と吉師祖五十狹茅宿禰は香坂王に味方し、戦の君として東國の兵を興した。」とあるように、神功皇后・応神天皇の名で伝えられる河内王朝側に敵対したと見られるヤマト政権の正統な後継者の側の氏族が犬上君であった。犬上君祖倉見別は忍熊王とともに敗死しているので、その親にあたる者の古墳が荒神山古墳と見ていいのだろう。
　また犬上郡には荒神山古墳に続く首長墓は見あたらない。途絶えるのである。

荒神山頂の図

前方部正面を下から撮す

お祭り
　６月２９，３０日 水無月大祭　宵荒神　本祭

参考　神社由緒書き、平成祭ＣＤ