![]() 岩神王子 田辺市中辺路町道湯川字岩神222 地図 ![]()
中御門宗忠の参詣記によると、王子に来ると、社の側に盲人がいて、田舎から御山に参りに来たが食べるものがなくなった。と訴えるので食べ物を与えた、と記している。 身に不自由のある人こそ熱心に参詣したのであろう。 甲斐の国から熊野に流された湯川忠長は熊野街道に出没する山賊をこの岩神峠で退治したと言う。 寛政十年(1798)にここを越した林信章の『熊野詣紀行』には、「岩神王子 大木の蔭にあり 小社なり 破損して扉もなく 左右後のかこひ板さえ損してなし。峠より下るを岩神坂と言う。この峠茶屋なし。大樹の陰にやすらふ。」とある。
岩神王子石碑 ![]()
![]() 岩神峠から湯川王子へは下り道、途中におぎん地蔵がある。文化十三年(1816)京の芸子、求婚されて熊野に向かうが、ここで二人組の山賊に殺されてしまう。悲恋の物語として里で語られ、御霊やすらけくと地蔵尊を設けた。
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